今月の注目本 動物との絆を描いた絵本
 
子ぎつねヘレンの10のおくりもの いまいまさこ(作)田中伸介(画)
子ぎつねヘレンの10のおくりもの いまいまさこ(作)田中伸介(画) 13/児童書・絵本

 実話をもとに、目と耳が不自由なキタキツネと少年の交流を描いた映画「子ぎつねヘレン」(配給:松竹2006年3月より全国ロードショー)は、日本中に大きな感動を呼び起こしました。その余韻を味わうことができる絵本『子ぎつねヘレンの10のおくりもの』(文芸社刊)の電子版がついに登場!

「ヘレン。覚えてる? ぼくらが出会った あの春の日のことを」──友だちがいなくてひとりぼっちだった少年と、車にはねられたキタキツネの子は運命的な出会いを果たす。目も耳も不自由になり、まるでヘレン・ケラーのようだった子ぎつねは“ヘレン”と名づけられ、家族の一員となった。
  少年の父は「どんな命も、この世界に生きたしるしに、おくりものを残していくんだ」と教えてくれた。へレンが亡くなり一年経ち、少年は大切な思い出とともに、ヘレンのおくりものを回想し始める……。
  目が見えないのに、花や鳥を見つけるのが得意だったヘレン。耳が聞こえないのに、少年の足音がすぐにわかったヘレン。五体満足でなくとも、素晴らしい可能性を見せてくれるその姿……。ヘレンが家に来てくれたおかげで、少年はいっぱい笑い、いっぱい心配し、いっぱい涙した。そのたびに家族の絆は深まり、思いやりの心が強くなった──。ヘレンの健気さと少年の成長を、温かなタッチで描いた絵本。

白い馬に乗った少年 かなやまじゅん(文)森克矢(絵) 13/児童書・絵本

 大学の同級生だったKとMは、定年を過ぎてから再会した。当時、馬術部に属していたKの夢は、老後は田舎で馬と一緒に暮らすこと。Mは聞き役となり、いつもKの夢に耳を傾けていた。それは酒を酌み交わす現在も変わっていない。Kはおもむろに“白い馬に乗った少年”の話を始めた。
  Kは栃木県と福島県の境にある黒森に別荘を構え、念願だった白い馬を飼うことにした。そんなある日、住民の一人から不思議な話を聞いた。戦争の当時、ある男の子の家で飼われていた馬が徴発されることになり、どうしても別れることに耐えられなかった少年は、馬を連れて黒森に隠れ込んだという……。それ以来、白い馬に乗った少年の精霊が現れるようになったらしい。
  その話を聞いた後、車を運転するMの前に、白い馬に乗った少年が現れ、気をとられているうちに車に追突され、Mは意識を失う。交通事故に巻き込まれてしまったMだが、不思議と無傷だった。Mは何かの縁を感じたのか、その時に見た光景を絵にすることに。すると、白い馬に乗った少年の絵は大評判となり、アウシュヴィッツ平和博物館で展示されることに……。
  戦争によって断ち切られた少年と馬の絆、馬を愛する人々の前で起こる不思議な出来事──反戦民話を軸に、真の平和、命の尊さを訴えかける絵本。

白い馬に乗った少年 かなやまじゅん(文)森克矢(絵)
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