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子供好きな夫婦のもとに宿った小さな命──著者である妻は医療事務の仕事を辞め、出産育児に備えた。そして自分が長年勤めた病院で産むことを決める。予定日は5月5日、こどもの日。妊娠の経過は良好で、あとは無事に産むだけ。しかし陣痛開始から長時間経っても、まだ産声を聞くことができない。帝王切開も願い出たが、時間は過ぎていくばかり。最終的に吸引分娩となり、難産の末、可愛い女の子が誕生した。でも赤ちゃんは泣いてくれない……。
脳に酸素が行かない時間帯があり、我が子は後遺症を負うことに。医師から“新生児重症仮死”と聞かされ、夫婦は強いショックを受ける。それでも「顔が見られて幸せ。愛らしく可愛くてたまらない」という想いで、娘を姿月(しづき)と名付ける。保育器の中の我が子と初めて握手できた日の感動。初めて抱っこした時の腕にかかる重み。ごく普通の出来事に、幸せを感じる日々……。
その一方で、出産時の病院に対する思いや後悔の念を抱きながらの生活が続く。葛藤に悩まされる夫婦を元気づけるのは、家族の温もりであり、友人の優しさであり、何より娘の姿だった。「二、三日の命」と言われた姿月ちゃんは、奇跡的な生命力で生後百日を迎えることができた。百十三日間という短くも充実した人生を生き抜いた我が子──その軌跡を綴った母の手記。
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