その筋の興味をそそるような題名ですが、私は風俗関係はおろか女性がテーブルに付くようなお店には入らないのです。行った国の物価水準、平均的住民にあわせた出費で過ごす事を基本としているので、財布の紐はいつでも固いのです。
私が初めてタイの地を踏み、この時生まれて初めて「トゥクトゥク」を見た訳ですが、「トゥクトゥク」の次に目を見張るものがありました。それは、スカート姿の若い女性が小型バイクの後ろに乗っている姿が、やけに目につく事でした。「おおっ!タイ人もやるものだ!平日の昼日中からバイクでツーリング?しかし、OL風ミニスカートは艶めかしいなあ!それにしても数が多いぞ。きっとバイクを持っていると、それだけでモテるに違いない!」勝手な想像はバンコク中央駅にたどり着くと同時に解明しました。そのよく見かける2人乗り小型バイクの運転手は全員ゼッケンのようなものを着けています。彼らは日本には存在しない、バイクタクシーだったのでした。
早朝の大通りでのカットを撮り終わった直後の事です。アジア系のきれいな若い女性が私の目を直視しながら近づいて来るではありませんか!「むむっ!何事だ?」向こうは余裕の笑顔です。「スミマセーン、私シンガポールから鉄道で辿り着いたところデース。チョット、今の場所を教えてクレマセーンカ?」と英語で話しかけてくるのです。彼女の手にはバンコク・バスルートマップという、バスを乗りこなすには結構便利なのですが、縮尺も方向も距離もアテにならない地図がありました。「ははーん!これは、アジア放浪の諸先輩方から耳タコになるくらい聞かされていた、ふるーいタイプの典型的な女詐欺師だな。この後、スケベ心まるだしで話し込んだりすると、ホテルに誘われて、シャワー浴びている隙に貴重品とともにドロン、若しくはプロレスラーのような男がどこからか現れ痛い目に遭うというのがパターンなのだ。この俺はだまされないぞ!」昔はたくさんいたというこの手の女詐欺師に出逢うのは、この時、私にとって初めての体験でした。ミエミエの彼女であったので、「ゴメンナサーイ、私も昨日バンコクに着いたばかりのガイコクジンでーす」と言って離れました。その女詐欺師を振り切り、数百メートルほど歩くと、またまたアジア系の女性がまっすぐに私の方へ歩いて来るではあーりませんか!「あんな古い詐欺師が沢山いるはずがない。そうだ、今回の彼女はホンモノだ。きっと俺の目を見てビビッと来たのに違いない。こういうのが人生に一度くらいはあるものだ、と死んだじいちゃんが言っていたような気がする。ついに俺もタイ人の美しい女性と恋に落ち、南の島に家を建て、青い海と純朴な子供達に囲まれ……。日本の両親は初めは反対するだろうが、きっとわかってくれるに違いない。言葉の壁なんぞ、真の愛の前ではマイペンライ(タイ語で、問題ないの意味)だぜ!セニョリータ」
しかし、2人目の彼女の手には、これまたバンコク・バスルートマップ。そして彼女の第一声は「スミマセーン、私シンガポールから今鉄道で辿り着いたところデース」
この手の女詐欺師には、後にも先にも他の国を含めてこの2人以外、私は逢った事はありません。
つづく
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