コラム

document 08 最終回 「日本のトゥクトゥク事情」
 最終回となりました。今回は日本に住んでいる「トゥクトゥク」について書きたいと思います。その筋の事情に詳しい方によると、日本国内でナンバー登録されている公道走行可能な「トゥクトゥク」は、およそ10台前後あるのではないかと言う話です。一度、青山のバー「サイアム・カフェ」さん所有の「トゥクトゥク」で、青山界隈を流してもらったことがあるのですが、もの凄い注目度でした。フェラーリより視線を感じます(乗ったことないけど)。しかも、老若男女、「トゥクトゥク」を視界に捉えたすべての人が、「おりょっ?!」と可愛い仔犬でも見るかのような和やかな視線を投げかけてくれます。まさに癒し系車両。乗ってる私も、誰に視線を合わせる訳でもなくついつい微笑んでしまい、まるで日の丸を振る沿道住民に向かって、いつまでも手を振っている皇族になったような気持ちでした(皇族になったことないけど)。大阪には「トゥクトゥク」を配達に使っている布団屋さんもあります。私を乗せてくれた「トゥクトゥク」は国土交通省発行の正規登録ナンバーを所有した公道走行可能な車両でしたが、展示用のナンバーのない「トゥクトゥク」でしたら、もっと存在するはずです。今まで、日本国内のアジア輸入雑貨店やタイレストランで展示されている「トゥクトゥク」を何度か見かけた事があります。横浜市の管理する博物館には、世界の文化を紹介するコーナーに円形ハンドルタイプのサムロタクシーが展示されていました。タイ物産展で来日し、そのまま日本人に引き取られた「トゥクトゥク」もいます。話が逸れますが、日本の自動車マニアにはいろいろなタイプの方がおりまして、ピカピカのインド製乗用車「アンバサダー」を所有している方や、旧東ドイツ製の段ボールボディ「トラバント」の購入を目論む方などがおられます。こういった車両も、もちろん目立つのでしょうが、何と言っても「トゥクトゥク」の場合、全く知識のない方でも「おりょっ?!」となる訳ですから、これはもう目立ちたがり屋の方には超お勧めアイテムといったところでしょう。また特にタイからいらしている方の反応にはもの凄いものがあると、先の事情通の方も語っていました。フランスの片田舎でいきなりベビースターラーメンが売られていたら、きっと同じくらい驚くのでしょう。気持ちわかります。
これは私のひとつの夢なのですが、「菜の花咲き乱れる富士川の堤防の上をトコトコと走ってゆくトゥクトゥク。バックには冠雪の富士山」といったカットを撮影してみたいものです。
 8回連載というかたちで、タイの摩訶不思議な乗り物「トゥクトゥク」にまつわるエピソードを紹介させて頂きました。まだまだ書き連ねたいことはたくさんあるのですが、この続きはまたの機会ということで、いままでのご愛読、どうもありがとうございました。タイの人たちと共に、「トゥクトゥク」という数奇な経歴を持つクルマが海の向こうの大陸で嬉々として走り回っている事を、覚えていただければ幸いです。
尚、小規模ながら場所を借りて写真の展示を行なっております。
(情報は_http://goo.gaiax.com/home/blues
ではでは!

おわり


三澤徹也(写真家/『TUKTUK in Thailand』好評配信中)

(01)「トゥクトゥクとはなんぞや?」
(02)「トゥクトゥク初体験の巻」
(03)「トゥクトゥクQ&A その壱」
(04)「トゥクトゥクQ&A その弐」
(05)「タイで見かけた女性編」
(06)「もしかしてピー?編」
(07)「回想トゥクトゥク撮影紀行」
(08)「日本のトゥクトゥク事情」


戻るBack number



2000-2002 copyright(C) bungeisha co.ltd.
produced by NETWAVE Co. Ltd.