コラム

document 27 「星を見上げるおせっかい男」
 どうも。トム・グレンです。
 泣いても笑っても今回で最終回。コラムを書く難しさに毎週泣かされましたが、とてもよい勉強になりました。
 冒頭からいきなり締めてますね、私。もちろん、今回もネタに苦しんでます。一日中、コラムのこと考えていれば、もう少しましなことが書けるのかも知れませんが、最近は、仕事が年末進行で忙しく、終電帰りの毎日です。冬の冷たい空気に、襟を正して家路に着くわけですが、見上げた夜空の星のきれいなこと。
 そんなわけで、今回は「星」について書きたいと思います。

 冬の星座は明るい星が多く、空気の状態も他の季節より良いそうなので、まさに絶好の観望会の季節といえます。私自身、一年で一番好きなのが冬の星座です。オリオン座やおうし座、大犬座がお気に入りです。早い話、見つけやすい星座が好きなんですね。星座も良いのですが、星空自体もすごく好きです。神秘的というか、魅惑的というか。富士山の5合目なんかで見る星空は、引き込まれるような不思議な魅力を感じます。
 私が書くのもどうかと思いますが、宮沢賢治の星を題材にした童話や海外ドラマのスタートレックがあるのも、多くの人が、星に惹かれているからかもしれません。
 ところで、くだらない妄想癖のある私がよく考えるのが、「あの星は今までに何人の人に見られたんだろう」ということです。大犬座のシリウスという明るい星のように、見つけやすい星は、誰もが一度は見ていると思いますが、肉眼でやっと見られるくらいのささやかな輝きしかもたない星は、一体何人の人が見たのでしょう。気になりません? 私は少し気になります。それと同時に、今見えている星は後、何人の人に見られるのか。こんなことを気にするなんて、星にしてみれば、近所のおばさんというか、偶然に主人の殺人現場を見てしまう家政婦並みにおせっかいですね、私。
 とにかく、そんなどうでもいいことを終電を降りてから家に着くまで、ぼーっと星を見上げながら考えているわけです。
 余談ですが、私はこの見上げるという行為が結構好きです。星空だけではなく、昼間の空から電車の中吊り広告まで(最近は山手線の案内モニターも)、思い出してみると、今日だけでも結構な回数、見上げていました。何か聞いたか読んだかした中で、見上げるという行為は、ポジティブな思考を促すそうです(たぶんそんな感じのことだったので、軽く受け止めてください)。
 でも、仮りにそれが本当だったら、年末進行で苦しい入稿スケジュールをどうにかやってこれたのも、帰宅時に星を見上げていたからなのかもしれないですね。
 皆さんも会社帰り等に星を見上げて、ポジティブになって、ついでにグレン公認(?)の「シリウスを見た○○人目の人」になってください。

 全5回のコラムも、今回で終了です。屁理屈だらけで、すぐに話の方向が変わってしまう、手のつけられない話に今までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。また、どこかでお会いしましょう。「アンおばさん」を読んでいない方は是非そちらで、「グレン節」をお楽しみください。

おわり

トム・グレン(作家『アンおばさんのクリスマス』好評配信中)

(01)「間違いだらけの童話の認識」
(02)「『色』に関する色々な事情」
(03)「かなり偏食的な甘党」
(04)「取りとめのないクリスマスのこと」
(05)「星を見上げるおせっかい男」


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