みなさん、こんにちは。「愚か者にシッポはふらない」の早瀬竜太郎です。本のタイトルにちなんで、街で見かけた「愚か者」を取り上げてきたこのコーナーも、今回で最後となりました。最終回は「子供と愚か者」です。
私は子供が大好きです。公園で無邪気にはしゃぐ子供たちを見ていると、こちらまでが楽しくなってきます。はかり知れない彼らの発想力には、ときに勉強させられることもあります。いつの時代も、子供は宝物です。けれど、彼らがはしゃぐフィールドは、公園だけにはとどまりません。ときにはレストラン、ときには映画館、ときには電車の中など、無限に広がっていきます。
ごく稀に、そんな子供たちを叱っている頑固オヤジに出会う場合もあります。うるさい子供たちを一喝したい気持ちもわかりますが、忘れてはいけないのは、うるさい子供の陰には、うるさい子供を放ったままにしている親がいる、ということです。
残念ながら、子供は親を選んで生まれてくることはできません。不運にも「愚か者」のもとに誕生してしまった子供は、貧乏クジを引かされたことになります。
2歳未満の乳児は、飛行機に格安で乗れることをご存知ですか? 国内線なら無料の場合もあり、国際線でも大人料金の10%程度で搭乗することができます。この制度のおかげで「2歳になるまでに子供を飛行機に乗せよう!」という発想をしてしまう人間がいるようです。
飛行機に乗ると、泣き叫んでいる赤ちゃんに遭遇することがあります。気圧が変わって耳の奥がキーンとなるあの感じは、大人でも不快なのに、赤ちゃんにガマンできるはずがありません。そんな親子の近くに座ってしまったら、空の旅は最悪なものとなってしまいます……。
2002年6月4日、私は幸運にもワールドカップの日本対ベルギー戦のチケットを手に入れました。スタジアムに行くと、やっぱりいました、小さな日本代表ユニホームを着たヨチヨチ歩きのお子様が。日本選手が得点を挙げた瞬間、スタジアムは歓喜に包まれました。しかし、みんなが喜んでいる中、お子様は泣きわめいていました。5万人を越える大人が一斉に立ち上がり、絶叫を繰り返しているのですから、子供が驚かないわけがありません。すっかり子供に気を取られてしまった私は、試合に集中できませんでした……。
はたして子供たちは、自分の意志で飛行機に乗りたいと言い、サッカーが見たいと言って、泣き叫んでいるのでしょうか? こうして考えると、「うるさい子供」にはまったく罪がないような気がしてきます。子供は、親から与えられた環境の中で、親の指導に基づいて、懸命に生きているだけです。レストランの中で大騒ぎしている子供たちは、「レストランの中で騒いではいけませんよ」と指導してもらえなかったかわいそうな存在にすぎません。
もし私がうるさい子供に腹を立てて、その子供の頭を殴ったとしたら、子供は私に恨みを抱くことでしょう。しかし、私が恨まれる理由は何もありません。恨みの矛先は、きちんと自分を指導してくれなかった親に向けられるべきなのです。
子供は宝物です。ちょっとした不注意で、宝物を傷つけてしまっては大変なことになってしまいます。大切な宝物は、きちんと磨きをかけ、責任をもって管理したいものですね。
4回のコラムもこれで最後となりました。私の独断と偏見で「愚か者」を取り上げてまいりましたが、自分のことは棚に上げて書かせていただきましたので、「お前に人のことが言えるのか!」というツッコミは何卒ご容赦ください。それでは、また次の機会に。
おわり
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