「ネグレクト」の海野真凛です。実はお百姓のおばちゃんで、夫の父と一緒にお米と柿を作っています(というより、修行中といった方が正確かも)。
今年は記録的な冷夏長雨で、わが岐阜県には「いもち病」の警報がでました。なんせ自然相手だから農業は大変です。病気や虫の攻撃にもめげず日に日に大きくなってくる柿の実を毎日眺めながら「がんばれよ」と心の中で声をかけています。
農業は自然との駆け引きです。
米と柿以外にも、朝市に出す野菜を栽培しています。夏野菜の定番のトマト、キュウリ、ナスはもちろん、スイカ、カボチャ、インゲン、ササゲなど、何種類も作っているんですが、ゴーヤは私が推薦して今年初めて作りました。
結構ブームですよね。何と言っても栄養たっぷり。Cook Doシリーズではゴーヤチャンプルーも新発売。ゴーヤ茶なんていうのも見かけます。
とはいうものの、私は今まで食べたこと無かったんです。苦みがいいというけど、苦くておいしいなんてどういうことだろう、とよくわかりませんでした。もちろんスーパーでは早くから見かけるけど、うちで作っているのにお金を出してまで買う気はしません。興味津々の気持ちを抑えて大きくなるのを待ちました。
「ほらぁ」と夫が畑から持ち帰ったゴーヤは立派なものでした。
でも、あれはどうみてもゴジラのお肌じゃありません? ニガウリっていうから、キュウリの親戚かもしれないけど、キュウリのなんとすべすべしていることか。
ごついルックスなのに枝からぶら下がっている軸の細いこと。まるで針金みたいです。葉っぱだって小さくて柔らかくてひらひらしてるんですよ。お嬢様みたいなキュウリの葉っぱの方がよほどぶ厚くて大きい。ゴーヤは花も小さく、何だか雑草のようです。
そんなわさわさ茂っている葉っぱをかき分けると、ブラ―ンと大きな実が隠れてるんです。なんて奇妙な植物だろうと思いました。
でも、食べてみて、初めて、苦くておいしいということがわかりました。癖になりそうな味。最初は「ふーん」でも、お皿が空っぽになって「うん、結構うまいよね」というのがうちの家族の評価でした。
人は加熱調理して食べるけど、生の苦いゴーヤに食らいついている物好きな虫もいます。もっとうまい餌もありそうなのに何でこんなのを食べるんだ、お前ら? と思います。
うっかり見落として放っておくと、緑が黄色になり、ついには鮮やかなオレンジに変わります。先日、そのオレンジがはじけて中の種が半分でてしまっているのを発見。その種の色、どんなだと思います? 赤! それもマゼンタの赤! やっぱりこれはトロピカルです。
あまりの色に、私はその真っ赤な種を手に取ってそっと舐めてみました。すると、おぉ、なんということでしょう! ほんのり甘い! でも、ちょっぴりかじったオレンジの皮の部分はやっぱり苦かった。
変わった奴らだと思った虫たちは、案外強烈な苦さの向こうにあるそこはかとない甘みを知っていたのかもしれません。やっぱり彼らの方が一枚上手だったのかも……。
今年の夏はゴーヤを存分に楽しみました。
つづく
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