鳥と言えばどんな鳥を連想されるでしょうか?
都会ではカラスかな。もちろん私の家の周辺にもたくさんいます。実に頭のいい鳥です。実は私、ちょっといたずらをしたことがあるんです。ある時、カラスが1円玉をくわえてそれを大事そうに生け垣の根本に隠すのに遭遇しました。私はその1円玉を取り出して、別のところに移して土をかけたんです。すると、そのカラスがすぐにやってきて、宝物を掘り返し、元のところに隠し直しました。で、へぇ〜あったまいいんだぁ、と感心する私に威嚇行動を取るんです。よっぽど私に腹を立てたのでしょう、しばらくは私を見ると飛びかかるようになりました。
それから、ツバメやスズメは日本中で見られる鳥ですよね。ツバメはあちこちの家の軒先に巣を作っています。我が家の軒先や車庫も毎年その場所を提供しています。
私がこの農村に嫁いで驚いたことは、そういったカラス、スズメ、ツバメという鳥たちより、もっと大型の鳥が身近にいることでした。
例えば、サギ。稲刈りの時にはぎょっとするほど、多くのサギがコンバインの後に群がってきます。あんな大きな鳥、普段どこにいるんだろう、あの体を維持するだけの餌を食べるのって大変だろうな、なんて、思わずにいられないくらい。でも、サギたちは細い足でなんだか優雅に体を揺すって歩いています。
この近辺にはキジもいます。本当にケーン、ケーンって鳴く。メスは鳩より少し大きいくらいの地味な茶色をしています。でも、オスは鮮やかな青や緑の羽を持っているし、頭には真っ赤な部分があります。メスよりずっと大きい。おしりの羽もすごく長いです。
そんなのが、田んぼや柿畑を横切ったりすると絶対目立つわけで、動物園の檻の中に飼われているなら目を楽しませてくれるだろうけど、野良犬や野良猫たちのいる自然の中で生きていくにはかなりハンデじゃないのかしら?
きっとオスは見栄っ張りなんだと思うんです。メスに気に入られようとして少しでも目立つようになってきてしまった。うん、私も彼らは確かに魅力的だとは思うけど、でも、神経すり減らしてんじゃない?
先日、大学の技官さんが言っていました。キャベツの苗をキジにくわれちゃったって。それも半端な食べ方じゃなくって、前日まで何枚もあった葉がぜーんぶ無くなってて、茎だけが地面に突っ立っている状態。
そうです。農家は虫だけじゃなくて鳥からの被害も結構あるんです。
何年も前、もう柿の収穫も終わるという頃、高い柿の木の上に、摘果し忘れたためいくつもの小さな実が、かたまってついているのを私が採ろうとした時でした。
おじいちゃんが、「そんなん、ほかっとけ。鳥の餌に残しといてやれ。鳥もひもじかろ」と言うのです。
折角手間暇かけてできた柿なのに、小さくても甘いから全部採っちゃえばいいのに、と思った私ですが、今はその言葉の意味がよくわかるようになりました。
鳥は私たちにとって迷惑なこともするけれど、害虫も捕ってくれるのです。人間の力や技だけでコメや柿が実るわけではなく、鳥も虫も雑草も微生物もみんないる自然の中で、障害をくぐり抜けて人は実りを手に入れることができるのです。
つづく
|