どうしてあんなにバカ騒ぎできるのか?
地元をホームタウンとしているチームが優勝しただけで、川に飛び込む。サッカーW杯の時も同じだった。なぜ?
それが郷土愛だから、愛国心だから……。俺がクールな態度でいると決まってそう言う奴がいる。ちょっと待て! 俺は毎年誕生日に靖国参拝をしている人間だ。遊就館を5時間かけて回る男だ。その辺の右翼より日本を愛し、郷土愛もある。未だに天気予報では地元福岡を見てしまう。だが、川には飛び込まないし、高いところにも登らない。
結論はこうだ。何奴もコイツも日常が退屈で仕方ないのだ。自らの人生では刺激が得られない寂しい奴なのだ。依存しているだけ、他の何かに頼っているだけ。しかも、一人では何もできない、集団でないと行動を起こせない。そんな小動物なのだ。あぁ、情けない。
自らの人生で生き甲斐を見つけろ、諦めるな。毎日刺激のある生活を送れ。バカ騒ぎする暇なんかないはずだ。真剣に上を目指せ。
俺は野球もサッカーも大好きだ。1991年、ファンである広島カープが優勝し、大野投手と達川捕手が抱き合った時は号泣したし、ドーハの悲劇の時は無口になった。「俺もがんばろう!」、俺は彼等からもらった力をそう使う。しかし、多くのにわかファンは違う。騒ぐ為のきっかけに使うのだ。
エンターテインメントとは? 人それぞれ楽しみ方は自由だろう! 果たしてそうだろうか。もし、スポーツ選手がファンが川に飛び込むことを望んでいれば、現状は正しい。しかし誰も望んではいない。提供する側にとって、受け入れる側にこちらの意図が伝わらないことは、これ以上にない最悪のシナリオだ。これは両者に非があると言える。つまり提供する側にも問題はあるのだ。
昨今のプロ野球オールスター。チケットの売れ行き、視聴率、ともに急降下。それもそのはず、投手はストレートを投げ、打者はフルスイング。結果ホームラン数と金一封だけは増えた。試合後、選手の一人がこんな発言をしていた。
「お祭りですから」
バ〜カ!目の前で説教したいね。お祭りなのはお客さんにとってであって、おまえら選手は公式戦以上に真剣勝負をしろ! 変化球投手から三球三振するかもしれない、盗塁しようとして牽制球で刺されるかもしれない、結果1対0で終わるかもしれない。でも、それがファンは観たいのだ。
いまの日本の多くのエンターテインメントは、やる側、観る側、共に質が落ちている。
どちらに多くの原因があるのかは、評論家ではないので知らない。調べるほど暇でもない。ただ、間違いなく言えるのは、このままでは日本のエンターテインメント(特にスポーツ)は確実に低落する。
先日、俺は自転車泥棒で捕まった。盗むときのスリル、捕まった時のドキドキ。うちから駅まで歩いて15分、それを短縮したかったのだ、もっと上を目指したかったのだ。
免許証を見せ、身元を確認。交番でパトカーの到着を待つ間、テレビにはプロ野球の日本シリーズが流れていた。
警官が言った。
「君、地元は福岡なんだ。やっぱりダイエーファンなの?」
「特にファンではないです」
「地元なのに?」
「ホークスが来たの中三の時ですし……」
「故郷は大切にしないとダメだよ」
「してますよ」
「してないだろう」
「してますって」
「してないよ!」
自転車盗んだことで説教してくれよ。
「福岡には帰ってるのか?」
「あまり帰ってないです」
「ほら、大切にしてないじゃないか」
「すいません」
「親は心配してるぞ」
「はい……」(ちょっと涙ぐむ)
「泣くことはないだろう」
結果、親には連絡をされずにすんだ。
サンクスホークス。そして日本一おめでとう! 井口君、メジャーでもがんばって!
つづく
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