命の伝達は繰り返される 『おくれてきたセミ アブラハムの冒険』 奥田征彦・著
 夏本番! 青い海と白い砂浜が恋しい季節になりました。房総半島の九十九里浜や伊豆の下田海岸、沖縄の阿波連海岸など、日本国内にも多くの人が訪れる海辺はありますが、美しい海岸の定番といえば、やはりハワイで決まり。遠過ぎず近過ぎず、日本人観光客も多い南国の島……。初めての海外旅行は“ハワイ”という人も多いのではないでしょうか。
 思わず、きれいな風景ばかりに目が行ってしまいますが、やはりHAWAIIは異国の地──日本の常識が通用しない場面に遭遇することも結構あります。ハワイなら日本語が通じる場所も多いので、言葉の点では安心ですが、何事も時間にきっちりな日本と違い、のんびりと毎日をすごし、小さなことにはあまり拘らないお国柄の前に、ちょっとしたハプニングが起こることも……。
 予想外に出入国管理で時間を取られ、飛行機の乗り継ぎが危うくなったり、降ろされるはずの荷物が出てこなかったり……。そんな時、マイナスなことばかり考えていたのでは、楽しい時間をすごせるはずもありません。とにかく気持ちの切り替えが大切。何と言っても、ここはハワイ。青く美しい海と、白く眩しい砂浜に囲まれているのですから!
 今回紹介する『ハワイでOh! No!!』は、著者の南有香さんが、母親の誕生日にハワイ旅行をプレゼントした時の滞在記。ハプニングにも負けず、ハワイで楽しくすごすにはどうすれば良いか──そんなヒントも詰まっています。読むだけで、あなたも南国気分を味わえますよ。ハワイ旅行のお供に、お薦めの1冊です。
gate-15/旅行 『ハワイでOh! No!!』 南有香・著
 著者の南有香さんは、根っからのハワイ好き。約20年前に初めてワイキキを訪れて以来、かれこれ数十回もハワイを旅している女性だ。美しいビーチ、青い空、さわやかな風、そして陽気な人々……その全てに魅せられ、南さんはハワイの虜になってしまった。
旅行を終え、日本へ戻ってからも、ハワイのことばかりを考える毎日。「次は誰と行こうか」と、あの南国の風景が、毎回、頭を巡って止まない。友人や彼氏とのバカンス、家族旅行、たまには気ままな一人旅……様々なシチュエーションでハワイを楽しんできた南さんは、あることを計画する。母の誕生日にハワイ旅行をプレゼントしようと考えたのだ。
 南さんが母親をハワイに連れていくのは今回が初めてではない。二人でハワイ島のカイルアコナに滞在したこともあるし、親戚一同で最高級コンドミニアムのアストンワイキキビーチタワーに宿泊したこともある。でも今度は特別なのだ。母が「ハワイは最後にする」と宣言したのだから……。南さんは、今までより、もっと素敵な旅行にしてあげたいと思い、スケジュールにも趣向を凝らした。コナコーヒー農園、ブラックサンドビーチ、キラウエア火山、ヒロタウンをまわるハワイ島サークルアイランドツアーである。泊まる部屋もオーシャンフロントは譲れない! とにかく最高のもてなしをしたいのだ。
 計画は着々と進み、ついに出発の日がやってきた。関西国際空港にも余裕を持って到着し、フライトも順調だったが、ホノルルに着いたところで問題が発生した。イミグレーション(出入国管理)の混み具合が半端じゃない。それに加えて審査官の応対も十人十色。のろのろペースのおじさん審査官もいれば、テキパキと仕事をこなすおばさん審査官もいる。乗り継ぎに間に合うかどうかは、どちらの審査官に当たるかにかかっている。心臓バクバクで待っていた南さん親子が当たったのは、幸いにも“テキパキおばさん”だった。何とか窮地を切り抜け、乗り継ぎにも間に合ったが、次に起こったのはロストバッゲージ。エアーラインから降ろされるはずの荷物が出てこないのだ。度重なる不運に、南さんは苛立ちと落胆の色を隠せなかった。母に最高のハワイ旅行をプレゼントしたかったのに、スタートからつまずくなんて……。
 いつもなら空港に降り立ったらすぐにハワイモードに切り替わる南さんだったが、今回は全くそんな気持ちになれない。それでも時間は待ってくれない。ハワイですごす貴重な時間は刻々と流れていく……。そんな時、南さんの心を静めてくれたのは、オアフ島に住む友人の言葉だった。電話で相談した南さんに対し、「腹を立てて文句ばかり言っても何も進まない。今しなくてはならないことが他にあるはず」と的確なアドバイスが返ってきた。
 人間、気を取り直せば、不思議と物事も良い方向に進んでいく。荷物が戻ってくるまでに必要な日用品を買い出しにいくと、現地に住んでいる人々の生活が垣間見え、観光客気分とはひと味違う、新しい発見があったりする。何度もハワイを訪れたことのある南さんにも新鮮に映る貴重な体験が、思わぬことからできたわけだ。
どうやらハワイでも日本の格言は通用するらしい──まさに“果報は寝て待て”。大きなベッドで一日の疲れを癒すと、翌朝には無事に荷物も届いた。さてここから親子水入らずのハワイ旅行はどんな展開を見せるのか……。続きを読みたい方は、ぜひご購入を! パソコンにダウンロードしてお読みください。
 



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